One Concern CPO ニコレット・キスペとのQ&A 

このQ&Aでは、最高人材責任者(CPO)のニコレット・キスペ(Nicolette Quispe)が、個人や組織におけるレジリエンス、キャリア研修、そして従業員に最高のパフォーマンスを発揮してもらうためのエンパワーメントの方法について語っています。

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あなた自身について教えてください。どのような経緯でOne Concernに加わったのですか?

One Concernチームの一員になれたことをとてもうれしく思っています。特に、レジリエンスを重視している点に惹かれました。個人のレジリエンスから組織のレジリエンスまで、One Concernのミッションは地球の未来にとって大きな意味を持っています。One ConcernのCPOとしての私の目標は、従業員が最高のパフォーマンスを発揮できる、インクルーシブで優れた企業文化を確立することです。従業員が、個人としてもプロフェッショナルとしても自律的に行動できるようにすることや、活躍のために必要なサポートを会社から得られるようにすることを特に重視しています。

One Concernに入社するまでは、テクノロジー企業においてインクルーシブかつ高成長を促す環境の構築に携わってきました。LegalZoomでは、人事部門の最初のメンバーとして入社し、20人以上から成るグループに育て上げるとともに、企業文化の確立、人材獲得、パフォーマンス管理、研修・人材開発に14年間にわたり取り組みました。LegalZoom入社時に150人ほどだった社員は1,000人近くに増えました。会社の成長を支える仕事は非常にやりがいがあり、急成長期を経験して得た学びは、会社の成長を促進するための自身のアプローチの形成に役立っています。それ以前は、YahooとPeopleSupportという2社のEコマース企業で人材採用を担当していました。両社が買収と自社事業の成長によって拡大していく様子を目の当たりにし、その過程で人材と企業文化が果たす役割の重要性を知ったことで、従業員が能力を最大限に発揮して活躍するためには、レジリエンスを備え、充実した支援が得られる、温かい職場環境の構築が大切である、という私の信念が確立されました。

 

One Concernでの役割を教えてください。 

One Concernでは、人材と企業文化に関する取り組みを統括しています。例えば、部門横断の全社的なコラボレーションの実現、研修や人材開発計画の推進、あらゆるレベルでの従業員体験のサポートなどです。One Concernでは、多様性に富む優れた人材を雇用・維持し、そうした人材が、バーチャルかリアルかに関わらず、これまでの経歴と経験を生かしながら本来の自分を職場で発揮できるよう支援することで、One Concernのコミュニティをより良いものにしていきたいと考えています。研修を始めコラボレーションとアライシップへの重点的な取り組み、各種イベント(バーチャル、ハイブリッドなど)を通したコミュニティ構築など、世界に有意義かつポジティブな影響をもたらしたいというOne Concernチームメンバーの熱意を後押しするような職場環境の実現に私は最も関心があります。

 

コロナ禍に伴うリモートワークと全体的な労働環境について、どのような発見がありましたか?

分散型の労働環境の基準が進化したことで、柔軟な働き方を進める上で多くのメリットがもたらされていますが、あらゆる変化でそうであるように、新しい検討事項や課題も生じています。従業員のつながりをどう保つか、労働時間とワークライフバランスに関する新たな需要と制約にどう対処するか、といったことです。

バーチャル化された労働環境が多くの従業員に新たな課題を投げかけていることも分かりました。例えば、プレゼンテーションやワークショップを行っている時、後ろに子どもが映り込んでしまうことがよくあります。また、家族と同居していれば、より柔軟性のある働き方をし、勤務時間をずらす必要があるかもしれません。私の役割は、それぞれの従業員の希望がどのようなものであれ、活気のある労働環境を整えていくことです。リソース、時間、エンゲージメントに対する個別のニーズを満たすだけでなく、それを上回る環境を提供したいと考えています。

特に従業員リソースグループ(従業員主導の有志の活動グループ)は、チームビルディング、問題解決、全体的なコミュニケーションの改善といった取り組みを行っていくにあたって、従業員との緊密な関係構築のサポートをしてくれており、コミュニティの醸成に役立っています。私たちは、リモートワークによって、当社の採用への申し込みがより民主化され、本社のあるシリコンバレー近郊に住んでいる人以外にもタレントプールを拡大することができると知りました。これはOne Concernのレジリエンスという視点から発想を得たものですが、人材を広い範囲で求めることで、One Concernがサービス提供を目指すグローバルな地域にいる「デジタルファースト関心層」のチームをつくることができます。

私たちは、パンデミックが私たち一人ひとりに異なる影響を与えたことを教訓に、個々の従業員を総合的に見られる環境づくりに乗り出しています。その目的は、従業員が最高のパフォーマンスを発揮しつつ、プライベートの用件にも対処し、あらゆる場面で家庭と仕事の責任を両立させられるようエンパワーメントを行うことです。このアプローチには、一人一人への共感が欠かせません。積極的に従業員からのフィードバックを求め、その声に耳を傾けながら、生産的な雰囲気のコミュニティづくりに向けて従業員にも参加してもらっています。組織レベルでは、バーチャルやハイブリッド環境で働く従業員のために、部門横断型のより良いコラボレーションツールを構築する戦略に投資しています。

 

個人と組織のレジリエンスについての考えを聞かせてください。

One Concernが考えるレジリエンスのミッションは、あらゆる災害による被害を最小化し、気候リスクなどのリーダーにとって盲点になりがちなリスクに対処してより良い意思決定を可能にすることです。個人レベルでも同じことが言えます。私たちがどのように従業員をサポートしているか、あるいはサポートしていないかという点で自分たちの盲点を理解し、それぞれの将来的なリスクと機会を理解して準備することで、私たちは自らの道を切り開き、有害事象から得た教訓を受け入れることができるのです。この一年で、個人レベルでもマクロレベルでも非常に大きな混乱がもたらされました。しかし、私たちにとってより良い未来を築いていく上で、パンデミックとその波及効果から学べる機会も数多くあります。

 

One Concern以外で興味を持っていることを教えてください。

One Concern以外に興味を持っていることはたくさんあります。ただ、共働きで2人の小さな子どもを育てている母親でもあるので、One Concernで重要な仕事をする以外に、有意義な形で地域社会に貢献したり活動したりする時間がなかなか取れません。ですから、One Concernのミッションが私の住む地域にも実際に影響を与えていることをとてもうれしく思っています。2020年9月には、米国カリフォルニア州南部の山火事「ボブキャットファイア」のために家を出て避難しなければなりませんでした。あらゆる災害による被害を最小化することで気候危機の影響に直面し得る人々を減らすというOne Concernのミッションを支える仕事に就いているのは、素晴らしいことだと感じています。

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